多発性骨髄腫における
再発治療について
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は血液がんの一つで、骨の中の骨髄にある形質細胞が「がん化」する病気です。
多発性骨髄腫は、現在の医療では完全に治る(治癒する)ことが難しい病気といわれています。
そのため最初の治療で一旦、病状の落ち着いたより良い状態(寛解状態)になっても、その後に再発を繰り返すことが知られています(図)。
- ※:形質細胞ががん化して骨髄腫細胞になると、正常な抗体を作らずに、抗体として機能しない「Mタンパク」という役に立たない抗体を大量に作りだします。
再発した場合の治療
一般的には、治療を重ねると、次の再発までの期間が短くなっていくことが知られています(図)。
そのため、再発した場合には、そのときの患者さんの状態にあった効果が期待されるお薬で治療をし、寛解状態を長く続けることを目指します1)。
Yong K, et al. Br J Haematol. 2016; 175(2): 252-264. より作図
最近の再発治療
多発性骨髄腫では、最近新たなお薬が次々に登場しています。
再発・再燃時の治療に使用できるお薬の種類も増え、再発しても病状の改善が期待できるようになっています1)。
- 1)志村 勇司:日本内科学会雑誌. 2023; 112(7): 1195-1201.